「自然素材」をふんだんに使った家は、身体に優しく、心がやすらぐという「健康」の面においてもプラスの効果を与えてくれます。しかし、単に「自然素材」と呼ばれている素材を使用して施工すれば良いということではありません。
たとえば、虫から身を守るために天然の毒を持っている自然素材の代表とも言える「無垢材」は、木の種類によってはその作用で反応される化学物質過敏症の方もいます。また、無垢材の建具はその集成に化学接着剤を使用しているものもあります。なので、室内には人にやさしい抗菌作用の弱い樹種を、土台などの構造材には菌や虫に強い樹種を、バランスを見て適材適所に使用する必要があります。また、調湿性や防カビ性がある漆喰は、市販されている中には、表示義務のない人工化学物質が含まれているものがあります。
人が健康で、快適に暮らすことのできる環境は、夏で26~29℃、冬で 19~22℃、湿度は 40~60%くらいといわれています。私たちの住む日本は南北における気候の違いは大きく、どの地域でも自然のままの快適な温度で過ごせるのは、1年のうち数ヶ月しかありません。
四季を通じて快適な暮らしをめざす高断熱・高気密の住まいづくり。でも心地よさを保つために冷暖房費がかさんでは、本当の意味での快適生活とはいえません。